キレイな字を書きたい人に  

映画やテレビの書道作品を書いています。東京日本橋で書道教室も開いています

文字の美しさ、とは?

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画像ファイルを整理していたら、かわいい写真をみつけました。

 

伊集院静さんの「文字に美はありや」という本を読み始めたところなのですが、

この職業をしていると、

書家やお坊さんの筆字を持ってきて、これって上手なんですか?、とか

うちの子の字はこれで大丈夫ですか?、とか

よく聞かれます。

そんな時、そもそも、字、というものはなんだったのだろうか、と考えます。

 

意思を伝えるもの、気持ちを伝えるもの、もちろん事務的な文字もあるけれど、それだって何かを伝えたくて書いているものであるはず。

文字の中には思い、というものが存在していて、そこには、上手とか下手とか、美醜、なんて概念がそもそも存在しないのではないか、と実は思っています。

 

伊集院さんほどの人はどう考えるんだろう、とたまたま丸善で見つけて買ってきました。こちらの感想はまた別の機会に。

 

このテヒョンくんの文字をみて、私は単純に、美しい、って思いました。

形的には所謂上手な字、ではないかもしれませんが、母国語でない日本語を、ましてや漢字まで入り、これだけきちんと書くのには、それなりの練習時間と、思いが必要だったはずですよね。

  

一文字一文字つなげていくと文になる、心を伝えるメッセージになる。愛も伝えられるし、憎しみも、悔しさも、もちろん悲しさも伝えられる。

 

文字の美しさとは、見た目の均衡の美、ではなく、その中に込められた思いの深さ、強さ、なのではないかと思うのです。

 

私は子供たちに、上手に書きなさい、と言ったことはないですし、基本的に彼らの書いたものを否定はしません。

 ゆっくり丁寧に、そして、心を込めて書いて、と言います。

もちろんそれが絶対ではないですが、思いが相手に思いが伝わる確率は、高いだろう、と思っています。

 

 私は、映画やドラマの作品を書くとき、1枚の作品を仕上げるのに、100枚単位の数、書きます。

なかなか納得いかず、締め切りギリギリに慌てて追加で紙を買いにいくこともあります。

 

字に思いを込めるのは実はとても難しいです。